2021年4月8日木曜日

始業式を行いました

今日から、新学期。1限目に、始業式を行いました。今日も、密を避けるため、教室で行いました。私から、放送でお話をさせていただきました。長文ですが、掲載させていただきます。

 皆さん、おはようございます。こうしてお話しするのは、2年生、3年生は、3月24日の終業式以来ですね。1年生とは、昨日の入学式で、お話ししましたね。今日から新学年、新学期が始まります。
 さて、この春休みの間、男女剣道部は、3月26日から、愛知県で開催された第30回全国高等学校剣道選抜大会に出場しました。男子は初戦、宮城県の高千穂高校、女子は、長崎県の島原高校とそれぞれ対戦し、残念ながら、敗れてしまいましたが、男女とも全国大会出場という立派な成果を上げてくれました。この経験を活かして、さらなる高みをめざしてください。女子硬式野球部は、3月27日から、埼玉県で開催された第22回全国高等学校女子硬式野球選抜大会に出場し、クラーク、横浜隼人、岡山学芸館、神戸弘陵を破り、決勝戦に進出しました。決勝では、残念ながら、開志学園に敗れ、3大会ぶりの全国制覇はなりませんでしたが、準優勝というすばらしい成果をおさめてくれました。よくがんばりました。さらなる活躍を期待しております。
 突然ですが、皆さんの、今年度の目標は、何ですか。私の目標は、この履正社高校を今以上に「いい学校」、皆さんや保護者の方に「入って良かった」と思ってもらえるような学校にすることです。
 そのために、今まで以上に「生徒が主役」の学校を作っていきたいと思っています。部活動でも学校行事でも生徒会活動でも、そして授業でも、皆さんが「主役」です。部活動、学校行事、生徒会活動で「主役」というのは、何となくわかると思いますが、私が一番大切にしたいのは、授業でも皆さんが「主役」ということです。
 今、高校教育、大学教育が大きく変わろうとしています。今、求められているものは、単なる「知識・技能」を修得するだけではなく、その「知識・技能」を活用して、自ら課題を発見し、その解決に向けて探究し、結果を分かりやすく表現し、発表するために必要な、思考力・判断力・表現力です。さらに、主体性をもって多様な人々と協働する態度も求められています。 授業中、何も考えずに、黒板をノートに写しているだけの人は、いませんか。やらされているだけの勉強の人は、いませんか。まさか、寝たり、しゃべったりしている人は、いないですよね。先生からの問いかけに、まずは、自分で考え、時には仲間と一緒に考える。そしてそれを分かりやすい言葉や方法で表現・発表し、相手に理解してもらう。その発表を聞いた人は、内容をしっかりと理解し、自分の意見を持ち、必要に応じて建設的な反論や批判を行う。発表者は、その反論や批判を、くさることなく真摯に受け止めて、さらに考えを深めていく。そういう取組みを、私たちも、さらに進めていきますので、授業でもぜひ「主役」になってください。
 ただ「主役」には、それなりの責任と自覚も必要です。そのために、2つのことをお願いします。
 まず1つめは、「自分の可能性を幅広く探って欲しい」ということです。皆さんは、「未見の我」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。「未見の我」とは、皆さんがまだ理解していない自分自身のことを言います。江戸時代幕末に、松下村塾を開校し、高杉晋作、桂小五郎、伊藤博文らを育てた吉田松陰は、塾生に対し、「未だ見たことのなかった自分をめざしなさい。心は熱く、一生に一度くらい、本気でやってみなさい。必ず達成します。運命を造りなさい。」と叱咤激励しました。 皆さんも、「自分の力は、これくらい」、「これは自分には、向いていない」などと、自分の可能性を自分で狭めてはいけません。なぜなら、人は、その人が可能と思うこと以上のことは、実現できないからです。「あれかこれか」ではなく「あれもこれも」と欲張って、勉強や部活動、学校行事、生徒会活動などに積極的に全力で取り組むなかで、「未見の我」を発見し、自己の可能性を拡大していってほしいと願っています。
 2つめは、「出会いを大切にしてほしい」ということです。今日から、新しいクラスメート、新しい先生方との出会いがあります。この出会いを大切にし、これから仲間になっていってください。ただ、自然と仲間になるのではありません。みんなで仲間として育っていくのです。でも人とうまく付き合うということは、大変難しいものです。履正社で出会って、一緒に活動する私たちは、どうすればいいでしょうか。それは、相手に自分がしてほしいと思うことを、自分がまず、相手にしてあげることです。朝「おはよう」と声をかけてもらえれば、気持ちがいいですね。「ありがとう」と言ってもらえれば、うれしいものです。「和顔愛語」という言葉があります。「わがん」とは、ニコニコとした明るい顔です。「あいご」とは、「ありがとう」とか「すみません」というような思いやりのある優しい言葉です。ぜひ実行してみてください。逆に、相手が嫌がることは、絶対にしてはいけません。これは、リアルでもネットでも同じことです。
 そして私は、「主役」の皆さんを、「がんばっている履正社」を、いろんな機会に、いろんな人たちに、どんどんPRしていきたい。ただネタがなければ、PRすることもできませんので、いろんな活動に取り組んでください。私も、どんどん取材に行きます。まずは、皆さんの授業中の様子を見せてもらいたいと考えています。しばらくしたら、また授業中にお邪魔しますので、よろしくお願いします。大事なことなので、2回言います。授業中、何も考えずに、黒板をノートに写しているだけの人は、いませんね。やらされているだけの勉強の人は、いませんね。まさか、寝たり、しゃべったりしている人は、いないですよね。
 2年生、3年生には、お話ししていますが、私は、漫画やアニメが大好きです。そして私の話には、漫画やアニメのセリフが、よく出てきます。冬アニメは、終わりましたが、春アニメが始まりました。同じ趣味を持つ人、よければ、ともに語り合いましょう。校長室のドアを開けてお待ちしています。今日は、終わった冬アニメの中で、私が一番楽しみにしていた「Dr.STONE」のセリフを紹介しましょう。
  「科学では分からないこともある、じゃねえ。
   分からねえことにルールを探す。そのくっそ地道な努力を、科学って呼んでるだけだ。」
 なぜか全人類が石化する怪現象が発生し、近代文明が途絶してしまいました。3700年経った時、まず知力に優れた高校生科学者、石神 千空君の石化が解け、半年後、体力に優れた、大木 大樹君の石化が解けます。
  「人類が築いた石の時代から近代文明までの200万年を、
   一気に駆け上がり、世界を取り戻す。」
のが、「Dr.STONE」の世界観。その過程で、科学の実験が、たくさん登場します。例えば、第1話では、蝙蝠の糞尿から硝酸を作り、ブドウからワインを作り、そのワインを蒸留して作ったエタノールと硝酸を合成して、工業用の腐食液「ナイタール」を作り出します。その「ナイタール」を使って、石化した仲間をよみがえらせていくのですが、何百回も、仮説と実験、TRIAL and ERRORを繰り返す過程で、大樹君が、「科学ではわからんことも、この世の中には、あるってことか」と、お決まりのセリフを言ったときの、千空君のセリフです。そそりますね。
 私たちも、「分からねえことにルールを探す。そのくっそ地道な努力」を、続けていきましょう。でも、人間っていつもいつもがんばれるわけがない。ちょっと心や体がしんどいな、話を聞いてほしいなと思ったら、遠慮なく私たちに相談してください。私たちも声をかけていきたいと思います。「いい学校」とは、誰かから与えられるものではなく、皆さんと私たち教職員が一緒になって作っていくものだと考えています。皆さんも、私たち教職員も「来てよかった」と思える履正社高校にして行きましょう。これで、私のあいさつを終わります。